鳳蘭さんの歌が圧巻。
青山劇場で再々演のミュージカル「ボーイ フロム オズ」を観劇。1年4ヶ月振りに鳳蘭さん:ツレちゃんの舞台を堪能してきました。ツレちゃんは年に何度も舞台を踏んでいるけれど、毎回観に行けないところが、辛いところ。けれど1年に1度でも生の舞台を観ることができる幸せを感謝しています。
さて、ここで、独断に満ちた感想を書き連ねたいと思います。これから観劇予定の方がいらしたら、ページを閉じてくださいね。それから、もしかしたら、細部は記憶違いをしているかもしれません・・・
ツレちゃんの出演は前半だけ。後半はフィナーレだけの登場。主役ではないツレちゃんの 舞台を観るのは、初めてです。自分でも最後に不満がのこったらどうしようかと心配していたのでが・・・杞憂でした。前半、4曲歌われます。
最初の登場は、真っ赤でスパンコール煌めくハイネックのトップにやはり真紅の膝丈のタイトスカート。艶やかで、でもちょっと毒もある大スター。主演の坂本昌行さん演じるピーター・アレンとの出会いの場。彼に促されて(のせられて?)軽く歌うつもりが、熱唱へと移っていきました。「夢だけでいい」。ショービジネスで成功を収めた女性が、夢は夢だけの方が良かったと、熱く歌い上げる姿は、身にまとう華やかな真紅のツーピースと、彼女だけがスポットライトを浴び、周りは暗く沈む舞台のコントラスト同様、スターの華やかさ、孤独を浮き彫りにしました。舞台の冒頭部でいきなりこれです。ツレちゃんの力強い声量が、観客を飲み込んだかのようでした。強烈なパンチでした。
ツレちゃんの役は、大スタージュディー・ガーランド。成功を収め、しかし、やや陰りの出始めた苦悩の女性。格好良かった。物語は、その後、ピーター(坂本君)の才能を認めたジュディーが、彼をアメリカへ誘い、自分のショーの前座として採用。ショービジネス界への扉を開いてあげるのです。
そう言うと、とても素敵な後見人のような役に思えますが、舞台の上のツレちゃんは、
ダイナミックで、パワフルで、セリフも時々毒々しいような話が出てきます。これをただ演じたら若い観客は引いてしまうのでしょうが、ツレちゃんが言うと、どんなセリフでも品がなくなることがない、不思議でした。ファンの贔屓目?
アメリカへ連れていてあげるという話に飛びつくピーター。彼と彼の相棒たちと「年上の女」を明るくリズミカルに歌うツレちゃん。成功を収めつつあるピーターに「高望みはだめ」と歌いきるツレちゃん。前半の最後に彼女の死を悼んで歌うピーターを、舞台の上段、彼の背後から、共に歌い上げるツレちゃん。どの歌もツレちゃんの声量が生かされた重厚なものだったと思います。
その後も舞台はピーターの挫折、屈折した愛、ついに得た成功と、いつしか忍び寄る影、というようにピーター・アレンの生涯を追っていきます。ピーター(坂本君)の一人語りが多く、随所に織り込まれるショーもピーターメイン。坂本君ファンにはたまらないでしょう。でも、ツレちゃんファンとしてはそれも良かったりして・・・ だって、ツレちゃん演じるジュディーが見出した青年が、歌い踊り物語を進行させていくのですから、見守り続けたくなります。
ただ、ツレちゃん病とでも言えば良いのでしょうか?ピーター始め、どの役を見てもツレちゃんだったらああするのに、とか、ツレちゃんが演じているところを見たい、などと思ってしまうのです。
たとえば、IZAMさん演じるグレッグという青年。IZAMさんも勿論、立ち姿良し、の爽やかな演技なのですが、でも、ツレちゃんだったら、なんて思ってしまいます。2枚目は全てツレちゃん!!最後に語りかけるように歌って舞台から姿を消すシーンがあるのですが、こういうのもツレちゃん、上手なのよね、と心の中で思ってしまうのです。
唯一、ツレちゃんなら、と思わなかったのは、今陽子さん演じるピーターの母:マリオン。出番は多いし、ピーターの心の拠りどころです。でも、ほとんど歌いません。そして、彼女も最後に心を込めてピーターの思いを歌い上げるのですが、とてもやさしいのです。穏やかに歌い上げます。生母の静かな優しさがあるからこそ、ピーターをショーの世界に送り出した、言わば育ての母というポジションにある、ツレちゃんの力強さ、華やかさが印象付けられるように思われました。
何にしても、ツレちゃん観たさに行った「ボーイ フロム オズ」、主演ではないからと言ってがっかりすることは全くありませんでした。
舞台は最後、ピーターの人生に影が差し、何ともやりきれないずっしりとした重い雰囲気に飲まれました。これがジャニーズの舞台?と訝しげに思えるほどでした。そこから圧巻のフィナーレに入り一気に高みに行きました。一人の男性の人生を追った舞台としても十分鑑賞に堪えるのではないでしょうか?
私が観に行った回では、2部の最初のシーンで、坂本君の客いじりの場面があり、何と、客席から舞台に引っ張り出されたのは、東でした!!この時は、サプライズに客席は大盛り上がり。そのままノッタ状態で舞台が進んだためでしょうか?それとも慣例だったのか?最後、フィナーレの後は、何と客席総立ちのスタンディングオペレーションでした。驚きました。宝塚でもみたことがありませんでした。2回のアンコールがあったけれど、2回とも総立ちです。
終演後、劇場の外にでると、夕暮れの青山の街も美しく目に映り、イヤイヤ主婦も、ちょっと青春に戻ったのでした。でも、ここが大事です。歩きながら、でも、大人の女性になるって良いな、と自然に思えたのでした。正直、私の人生、このまま地味に終わるのよね、と諦めにも似た思いがあったのですが、若者を引き上げる、ということは、決して自分が脇役に回ることではないのだと実感したのです。人の成功を手助けして、却って自分が立つ、というような・・・ 舞台のツレちゃんが教えてくれました。
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